【ハイスターズ個別指導学院】2025年度(令和7年度) 千葉県公立高校 入試分析 [ 国語 ]

2025/03/31 カテゴリー:鴨川校 / 茂原校 / 成田校 / おゆみ野校 / 鎌取校

こんにちは!

ハイスターズ個別指導学院です。

 

今回から5回(それぞれ語、数学、英語、理科、社会)に分けて、2025年度(令和7年度)千葉県公立高校の入試分析をします。

 

初回は「国語」です。

 

 

国語:入試問題分析

 

「難易度差が明確化。標準問題を確実に得点できるかが鍵」

 

〈難易度〉 昨年度より易化

〈平均点予想〉 55点前後

 

〈総評〉

 

出題形式について: 聞き取り問題と小説が各1問減少し、古典が1問増加しましたが、大問構成など全体的な枠組みに大きな変更は見られませんでした。

 

全体的な傾向: 昨年度より設問数は若干減少したものの、文章量は依然として多く、一つの設問に時間をかけすぎると解答時間が不足する恐れがあります。昨年度同様、設問ごとの難易度差が明確であるため、時間配分を強く意識して解答を進める必要がありました。

選択問題の難易度は昨年度よりやや易しくなった一方、記述問題は全体的に難化しました。

入試全体としてはやや易化しましたが、単なる言い換えや本文の書き抜きで解答できる問題は減少し、言葉の意味を正確に理解した上での言い換えを求める問題が増加しています。

標準的な選択問題を確実に得点することが重要である一方、難易度の高い記述問題にも臆せず取り組む姿勢が求められました。

 

平均点は昨年度より上昇し、55点前後に落ち着くと予想されます。

 


 

大問1「聞き取り」: 昨年度同様

例年通り、文脈や因果関係の理解を問う問題が多く見られました。音声をただ機械的にメモするのではなく、早い段階で選択肢を確認し、内容を判断しながら聞き取る力が求められます。

 

 

大問2・3「漢字」: 昨年度よりやや易化

問題構成に変更はありませんでした。読みに関しては、「謄本(とうほん)」を除き、他の問題は確実に解答したいレベルです。書きに関しては、「授(さず)かる」、「航路(こうろ)」など、受験生が間違いやすい漢字の出題が例年より目立ちました。

「初志貫徹」のような四字熟語は毎年出題されているため、日頃から触れておくことが肝要です。

 

 

大問4「論説」: 昨年度より易化

読解の中心となる長文と、補助的な短文という二つの文章で構成される形式は変わりませんでした。昨年度に比べ文章自体の難易度は下がりましたが、文章量は依然として多いため、速読力が引き続き求められます。

難易度が高かったのは設問(6)(b)です。千葉県の入試としては比較的長い50字以内の記述問題で、補助的な短文の内容も踏まえつつ、本文における筆者の主張を正確に捉える必要がありました。

しかし、昨年度のような抽象度の高い言い換えはほとんど要求されず、千葉県で頻出の空欄補充形式の問題でもあったため、過去問演習などを十分に行っていれば解答可能なレベルであったと言えます。

多い文章量に対応するための速読力はもちろん、普段から線引きなどを行いながら論理的に読解する訓練や、記述問題の演習を重ねることが得点力向上に繋がります。

 

 

大問5「小説」: 昨年度同様

近年の「読解の中心となる長文+それに関する会話文」という形式から変更され、長文のみの構成となりました。

文章・設問ともに難易度は昨年度と同程度で、難解な表現もなく読みやすい文章でした。

設問(7)の記述問題は難易度が高かったです。傍線部に関するものではなく、本文全体から読み取れる登場人物の心情を問うものでした。さらに、指定語句には本文中にないものが含まれるため、本文からの書き抜きだけでは解答できません。

本文中の登場人物のやり取りを正確に理解した上で、指定語句を用いて解答を自分で構成する必要があり、苦戦した受験生も多かったと予想されます。

対策としては、記述問題の解法訓練はもちろんですが、部分点を意識し、解答要素を拾いながら記述する練習を繰り返すと良いでしょう。

 

 

大問6「古典」: 昨年度よりやや易化

設問数は1問増えましたが、文章の難易度は昨年よりやや下がりました。

設問ごとの難易度差が大きく、特に(4)の理由説明問題、(5)(c)の記述問題は難しいものでした。記述の指定文字数は減ったものの、古文と会話文、双方の文脈を正確に読み解き、必要な情報を絞り込んで解答する必要がありました。

一方で、漢文の返り点問題や主語を特定する問題は難易度が低く、確実に得点したいところです。

これらの標準問題を確実に解答することはもちろん、古文の内容を正しく読解した上で、選択肢を的確に判断し、記述解答を構成する表現力や思考力が求められました。

 

 

大問7「作文」: 昨年度同様

昨年度に続き、今年度も形式が変更され、物語文の空欄補充と、その内容に関する自分の体験を踏まえた説明を求める形式となりました。

物語文自体は平易ですが、補充した内容について自分の体験を踏まえて説明する必要があるため、総合的な難易度は高いと言えます。原典『酸っぱい葡萄』の寓話をよく知っている受験生は、かえってその内容に引きずられ、自身の体験と結びつけて記述することに苦労した可能性もあります。

たとえ不慣れな形式であっても、「設問の条件を確認する」「課題を正しく読み取る」といった基本的な姿勢を守って取り組むことを意識したいです。

 


 

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