【ハイスターズ個別指導学院】2025年度(令和7年度) 千葉県公立高校 入試分析 [ 理科 ]

2025/04/17 カテゴリー:鴨川校 / 茂原校 / 成田校 / おゆみ野校 / 鎌取校

こんにちは!

ハイスターズ個別指導学院です。

 

全5回(それぞれ語、数学、英語、理科、社会)に分けて、2025年度(令和7年度)千葉県公立高校の入試分析をブログにのせます。

 

第5回は「理科」です。

 

 

理科:入試問題分析

 

「幅広く網羅された基礎知識と応用問題をバランス良く配置した構成」

 

〈難易度〉 昨年度よりやや難化

〈平均点予想〉 60点程度

 

 

〈総評〉

形式は昨年度を踏襲し、大問9題で構成されています。問1の小問集合に加え、物理・化学・生物・地学の各分野から2題ずつ、各学年の内容がバランス良く出題されました。

 

昨年度に記述問題が減少した傾向に続き、今年度は記述問題が完全になくなりました。その代わりに、作図・図示問題が各分野から1題ずつ、合計4問出題されました。出題内容については知識問題が大部分を占めており、また、細かな知識が問われることもあるため、日頃から教科書に立ち返り、基礎・基本事項を確実に定着させているかが極めて重要です。

 

応用問題には、一見目新しい形式のものもありますが、問われている内容は標準レベルの頻出事項が中心です。正答率が20%~40%程度と想定されるこれらの応用問題を、どれだけ確実に得点できたかが、難関校合格の分岐点となるでしょう。

 

千葉県の理科では、実験や観察を題材として問題が展開される形式が基本です。そのため、問題文や資料の情報量が多く、データや図、表から結果を読み取り、分析・整理する能力、さらにそれを解答に結びつける表現力が求められます。したがって、日頃から重要な箇所に線を引くなど、情報を効率的に処理する練習を積んでおくことが有効です。

 


 

大問1「小問集合」:難易度(基礎)

 

各学年・各分野(化学・生物・地学・物理)からバランス良く出題される小問集合という形式は、昨年度から変更ありません。

年によっては簡単な計算問題が含まれることもありますが、今年度は基礎知識の確認に終始しました。全問正解を目指したいところです。

 

 

 

 

大問2「動物の分類(中1生物)」:難易度(基礎-応用)

 

会話文形式の問題で、脊椎動物・無脊椎動物の分類活動を通して、各グループの特徴を整理する内容が出題されました。

問われる知識は多岐にわたりますが、個々の設問は基本的なものが中心であり、(3)までは確実に得点したい内容です。

ただし、(4)は適切な質問の組み合わせを選ぶ問題で、単なる知識だけでなく論理的な思考力も要求されるため、正答率は低かったと推測されます。

 

 

 

 

大問3「光の屈折(中1物理)」:難易度(標準-応用)

 

半円形ガラス、台形ガラス、液体を入れた容器などを用いた、光の屈折に関する実験からの出題です。(2)や(3)では、『光が進みやすい媒質中の方が、境界面となす角は大きい』といった法則性を理解し、適用できたかがポイントでした。

光の進み方に対する本質的な理解が問われています。

光が進む向きにも注意が必要です。

 

 

 

 

 

大問4「水蒸気量(中2地学)」:難易度(標準-応用)

 

コップ表面の結露に関する実験を通して、空気中の水蒸気量の変化を考察する問題が出題されました。

知識を問う設問もありますが、思考力や計算力が求められる問題が中心であり、この大問の平均点は低いと予想されます。

(2)のグラフは、教科書でおなじみの気温と飽和水蒸気量の関係を示す曲線から、曲線部分を除いたものと捉えることができます。

(4)は、加湿器から放出された水蒸気量を計算する頻出タイプの問題ですが、計算に必要な部屋の体積の条件を見落とさないように注意が必要です。

 

 

 

 

大問5「蒸留(中1化学)」:難易度(基礎-標準)

 

混合物であるみりんを蒸留する実験からの出題です。

蒸留に関する頻出の知識問題が2問含まれていました。

さらに、(3)の実験結果の読み取りや、(4)の質量パーセント濃度から溶質量を求める計算など、応用的な設問もありましたが、いずれも頻出パターンです。

 

 

 

 

大問6「太陽の日周運動(中3地学)」:難易度(標準-応用)

 

太陽の日周運動を観察する実験からの出題です。

(2)の日の出時刻に関する問題は確実に得点したいところです。

(3)の緯度・経度の違いが日周運動に与える影響を考察させる問題や、(4)の太陽光パネルの最適設置角度を計算する問題は難易度が高く、正答率は低かったと予想されます。

 

 

 

 

大問7「ダニエル電池(中3化学)」:難易度(基礎-標準)

 

出題形式は2年前のマイクロプレートを用いた問題とは異なりますが、実験結果に基づいて金属のイオン化傾向を判断する点は共通しています。

大問の後半では、3年前にも出題されたダニエル電池がテーマとなりました。

今回は電極や電解質水溶液の種類を変えた実験も含まれていますが、問われているのはダニエル電池の基本的な仕組みや原理であり、その本質を理解していれば解答は難しくなかったと考えられます。

 

 

 

 

大問8「蒸散(中2生物)」:難易度(基礎-標準)

 

葉の断面図を用いた蒸散に関する問題が出題されました。

気孔の位置を正確に図示する問題では、知識を曖昧なままにせず、教科書の図などで正確な位置を確認しておくことが大切です。

(3)の葉の表裏における蒸散量の差を計算する問題は応用レベルですが、実験条件を表にまとめるなど、情報を整理して解く練習を積んでいれば、決して難しくはありません。

 

 

 

 

大問9「仕事とエネルギー(中3物理)」:難易度(標準-応用)

 

振り子の運動や、斜面上の小球が持つエネルギーに関する実験からの出題です。

(2)は頻出問題ですが、正答率は必ずしも高くない設問です。

直感に頼らず、原理に基づいて解答することが重要になります。

現象の背後にある根拠や法則性を常に意識し、本質的な理解を深める学習が求められます。

(4)の応用問題は、グラフから必要な数値を読み取って整理し、比例計算などを工夫して行う必要があり、解答までのステップが多いため、正答率は低いと予想されます。

 

 

 

 

ハイスターズ個別指導学院

 

お問い合わせ・お申し込み